サイクリング。

昼過ぎから夕方の五時まで自転車に乗ったカッパが、島根県の外回りをグルグルグルグル回っている。その姿を見守るボランティアスタッフが給水スポットで用意したのは、緑茶に番茶にウーロン茶。カプチーノにミルクティー。コーンスープに甘酒にホットポーでござりました。喉は渇くが、スポーツドリンクでない。しかも熱々のホットドリンクばかりのラインナップでござります。五時になるまで自転車から降りる事は許されないカッパは、仕方なく番茶を利き手で持ち、熱い湯のみからそーっとすすろうとしておりました。でも道は凸凹砂利道なので、熱い番茶が手にかかるのを必死でこらえているのでござります。その姿に同情した年取ったおばあさんとおじいさんは、ワニバレエを踊りながら「お腹が空いたじゃろ。これをお食べ」と時速120kで爆走するカッパにゆで卵を差し出しておりました。優しいんだか、イケズなんだか。まじめなんだか、ふざけてるんだか。カッパは、何も見えない聞こえなかった事にしてひたすら自転車を走らせていたのでござりました。カッカッカッカー。